文豪・志賀直哉が「奈良にうまいものなし」と言ったこともあり、京都に比べると名物グルメが少ないイメージの奈良。
柿の葉寿司、三輪そうめん、吉野葛くらいしか有名なグルメってないんじゃない?と思っていませんか?
奈良には、知られざる絶品グルメがまだまだあるんです。
素朴な味わいが魅力の茶粥
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茶粥とは、大和茶(煎茶)で炊いたお粥のこと。
大和茶は、9世紀初頭に弘法大師が唐から茶種を持ち帰り、大和地方に植えたと伝わっているそうです。
元々はお坊さんの食事でしたが、いつしか一般家庭の朝食でも食べられるようになり、現在では観光客にも茶粥をアピールしています。
香りが豊かで、さらっとした口当たりが特徴。
大人になったからこそわかる、シンプルで奥深い味わいです。
観光の拠点となる奈良駅の近くには、茶粥をいただける店が多数あるので、東大寺や春日大社を観光した後で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
おすすめは、興福寺の近くにある「塔の茶屋」の茶がゆ弁当。
茶粥に、旬の野菜の炊き合わせ、柿の葉寿司、ごま豆腐などがセットになっています。大和茶でさらっと炊き上げたお粥は、仕上げにかけた抹茶が上品に香ります。
滋味豊かな伝統の大和野菜
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京都の京野菜は有名ですが、奈良にも伝統野菜はあるんです。
大和まなや大和丸なす、黄金まくわ、大和ふとねぎなど、奈良で戦前から栽培されている、個性的な形や味わいの野菜が大和野菜。
盆地の気候を活かし、手間ひまかけて作られています。生産量が少ないため、他県にはほとんど出回らない、ほぼ奈良でしか食べられない野菜です。
奈良駅周辺には、大和野菜を使った和食、イタリアン、フレンチ、カフェごはんなどを提供している店がいろいろあります。
大和野菜で有名な店の一つが、「粟 ならまち店」。
大和野菜や大和牛などを使った、見た目も華やかなコース料理をいただけます。
クリーミーな飛鳥鍋
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飛鳥鍋は、飛鳥寺や石舞台古墳などで有名な飛鳥地方に伝わる郷土料理。
飛鳥時代に唐から来た僧侶が、寒さに耐え抜くために、ヤギの乳で鍋を作ったのが始まりとされる古代の鍋料理を復元したものです。
旬の野菜や大和肉鶏を、牛乳と和風だしで煮込んでいます。
片栗粉を水で溶かして加え、汁にとろみをつけることも。
大和肉鶏と野菜のうまみが凝縮された、コクのあるスープは絶品です。
牛乳を使っていますが、クセがないので、誰でも美味しく食べられますよ。
古くから飛鳥にある「めんどや」は、飛鳥の野菜や地鶏を煮込んだ飛鳥鍋が名物。
夏はセリ、秋はきのこなど、飛鳥の旬の味覚を楽しむことができます。